メープルシロップが生産されるのは、シュガーブッシュ(サトウカエデの原生林)が広がる、カナダ南東部を中心とするごく一部の地域に限られています。
カナダは世界のメープルシロップの79%を生産しており、中でもケベック州は世界最大の生産地で、全世界の実に71%を占めています。
また、カナダはメープルシロップの輸出でも世界第1位であり、輸出先は52カ国ほど。そのうち対日本輸出は第2位にあたります。
メープルシロップには、ミネラルやビタミンだけでなく、有害な活性酸素から体を守る抗酸化物質、ポリフェノールが63種類も含まれています。
さらに、他の一般的な甘味料に比べるとビタミン、ミネラルの含有量が高くカロリーが低いのが特徴です。
メープルシロップは、健康という視点から毎日の「食事」を見直す意味でも、今求められている食材といえます。
カナダ産メープルシロップは、樹液の採取時期によって出来上がるメープルシロップの色や味は異なり、一般的に採取時期の初めの頃のメープルシロップは色が薄く繊細な味がしますが、季節がすすむに従い、シロップの色は濃くなり、風味が増していきます。
色と味を基準とし、光の透過度とメープル特有の風味によって、3つのカテゴリーと5つのグレード(エキストラライト、ライト、ミディアム、アンバー、ダーク)に分類されます。
ここでは5つのグレードについてご紹介します。
最も採取の時期が早い樹液で作られるのが「エキストラライト」です。淡い色調、やわらかくデリケートな風味が特徴で、口の中に甘さが残りません。主に料理やパン、お菓子にそのままかけて使われます。
エキストラライトの後に採取される樹液から作られるのが、「ライト」です。色調は薄く、味わいはやわらかで繊細です。エキストラライトと同様、主に料理やパン、お菓子などにそのままかけて使われています。
ライトより採取時期が遅いのが「ミディアム」です。市場で一番多くみられるタイプで、美しい琥珀色で味わいがあります。エキストラライト、ライトよりメープル独特の風味が増し、様々な料理やパン、お菓子に適しています。
ミディアムより更に時期が進むと、琥珀色とメープル独特の風味が濃くなり、「アンバー」となります。
採取時期の最後に採取された樹液からつくられるのが、「ダーク」です。カナダでは主に食品加工用として使われています。
カエデの樹液、メープルウォーターは、雪解け時期にほんの数週間、樹木から自然に流れ出る澄んだ透明な液体です。
厳しい冬の寒さを耐え抜いてきたカナダの人々にとって、少し糖分を含んで、ほんのり甘いメープルウォーターは春を告げる使者として、昔から尊ばれてきました。
その味と品質をそのままに商品化するプロセスに従ったNAPSI 認証制度で、カナダ・ケベックのメープルウォーターを1 年中楽しめるようになりました。
NAPSIは、カナダのケベック・メープル製品生産者協会 (FPAQ)が7年のすえ2013年に創設した認証制度です。これはまさに「今あなたが飲んでいるのは100%ピュアで新鮮な本物のメープルウォーターであり、樹液に含まれる天然成分すべてそのまま含んでいます」ということを消費者に保証する業界初の品質保証シールです。
NAPSIとはNatural (天然)、Authentic (本物)、Pure (ピュア/純粋な)、Sterile (殺菌された)、Integral (完全な)の頭文字からつくられた略語で、化学保存料や添加物を全く含まず、樹液そのものの味をもつ殺菌済みのカナダ・ケベック産ピュアメープルウォーターであることを証明するものです。
また、認証のために開発された殺菌方法および梱包技術でメープルウォーターの透明度や新鮮な味、健康効果を室温で18ヶ月間維持することができます。
NAPSI認証制度では、樹液の採取、シュガーブッシュから工場までの輸送、工場での殺菌/製造の3つの段階において、それぞれの工程に厳格な基準を設け、
そのすべての基準を満たした製品だけが、NAPSI認証マークをつけることができます。
料理教室の先生にお集まりいただき、料理業界でも良質な調味料ということで注目を集めているカナダ産メープルシロップについて、製造工程や栄養価などのお話や、管理栄養士の安中先生による料理デモを実施しました。
和・洋・中とどんな食材・調味料とも相性が良く、会場中メープルシロップのいい香りに包まれていました。
さらに詳しくはスタッフブログより